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第3回業種別・職種別労働運動研究会の内容

第3回業種別・職種別労働運動研究会の内容

日程:2017年7月13日(木)14:00~17:00
会場:東京労働会館地階
報告:清水 謙一さん(全建総連(全国建設労働組合総連合)書記次長)
テーマ:「東京土建を中心に 全建総連の特徴、経過と現在」

内容

 生活保障のない建設労働者・職人の相互扶助組織として国保、共済制度を確立し、建設業なら誰でも入れる一般労働組合として発展してきた全建総連と傘下組合。
 第3回目であるこの研究会では、こうした運動をいかに築いてきたか、また直面する困難にどう立ち向かおうとしているのかお聞きしました。

◆建設産業の性格
・従事者が減少し高齢化が進んでいる(約3割が55歳以上、29歳以下は約1割)
・小零細事業所が従事者の半数を占める
・月給制は現場技能労働者の1割にすぎず、多くは、①「日給月給」(1日の賃金かける就労日)、②「手間請」(一定の工事量を請け負う完全出来高給)、③「一人親方」である。諸手当はなく、事業主が労働者の能力、技術力、経験、扶養者、およびその時々の地域相場などから判断して賃金を決定する

◆全建総連の性格

【全建総連の全国53の県連・組合のナショナルセンター加盟状況】
県連合加盟、県労連加盟、未加盟と、さまざま

【要求運動】
・政府に対して:審議会(労政審、中建審、社整審など)への参加、国会議員や政党への要請
・業界団体に対しての交渉

【共同事業の性格】
①建設国保(傷病、入院給付金)、②労働保険(事務組合約500を組織)、③税金申告相談(源泉徴収されない事業者、一人親方など)、④100を超える職業訓練校の運営、⑤共済(全労済、自主共済)

【職種別結集の位置づけ】
・これまでに全建総連内でできた職種別の組合は補助組織としての石工(いしく)の組合のみ。基本は地域(居住地)ごとの組織で活動する
(業者組合にせずに、全建設労働者が結集できる組織にするために)

【事業主や大手現場従事者の組織化】
・事業主を含めた組織化
小零細事業主も現場に従事するので労働者性がある。親方たちの組織力なくしてはこれほどの組織を作ることはできなかった。
・現場従事者の組織化(PAL(組合職長)の会)によって大手現場従事者を組織化
大手建設住宅企業との交渉が、代理・対角線交渉 →直接交渉へ

【公契約法(条例)制定】
1983年大会にて公契約運動を提起し、下記の到達を獲得
①公契約法制定を求める国への意見書:24県議会722市区町村議会(41%)
②公契約条例制定自治体(37自治体)
・東日本大震災や熊本地震では、労働者供給事業に登録し、現地での木造仮設住宅の建設による支援

【「建設キャリアアップシステム」】
・国交省がイニシアチブをとる「建設キャリアアップシステム」による「技能者の能力評価基準の策定」に参画し、それによる技能者の処遇向上をめざしている(現時点では、「資格」はあれども「評価基準」がない)



といったことについてご報告いただきました。



参考:清水謙一(2017)「東京土建を中心に 全建総連の特徴、経過と現在」レジュメ、業種別・職種別労働運動研究会、2017年7月13日

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